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肩甲骨はがしで頭痛は治る?緊張型頭痛との関係と受診目安
肩や首が重くなると、後頭部まで重だるくなる。そんなとき「肩甲骨を動かせば頭痛もよくなる?」と考える方は少なくありません。ただし、頭痛には種類があり、肩甲骨まわりをほぐすことだけで原因を判断することはできません。
結論:肩・首の張りと頭痛が同時にあることはありますが、肩甲骨はがしで頭痛が治るとは言えません。緊張型頭痛と診断された人を対象に、手技や運動を組み合わせた研究はありますが、一般にいう肩甲骨はがし単独の効果を示すものではありません。突然の強い頭痛、手足のしびれ・麻痺、発熱、いつもと違う頭痛は、セルフケアより受診を優先してください。
この記事では、肩甲骨の周囲を軽く動かすセルフケアや手技を「肩甲骨はがし」と呼んで説明します。頭痛の診断、脳や首の病気を除外する検査の代わりにはなりません。
肩・首の張りと頭痛の関係
肩こりに頭痛や吐き気を伴うことはありますが、肩こりだけで頭痛の種類は決められません。
日本整形外科学会は、肩こりを首すじから肩・背中にかけての張りや痛みと説明し、頭痛や吐き気を伴うことがあるとしています。一方で、頚椎の病気、頭蓋内の病気、高血圧、眼・耳鼻咽喉の病気、肩関節の病気に伴って肩こりのような症状が出ることもあると案内しています。
頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などの一次性頭痛のほか、他の病気に伴う二次性頭痛があります。肩や肩甲骨の張りがあるという一点だけから「緊張型頭痛だ」と自己判断することはできません。
ここでのポイント:頭痛がある日は、痛む場所だけでなく、始まり方、いつもと同じか、光・音・吐き気との関係、手足や言葉の症状がないかも確認します。
肩甲骨はがしで頭痛は治るのか
肩甲骨はがし単独で頭痛を治すという根拠は確認できません。
緊張型頭痛の人を対象にした系統的レビューでは、運動や物理療法、手技を組み合わせた介入について、短期的な頭痛の頻度や痛みの変化を調べた研究があります。ただし、対象は診断済みの緊張型頭痛であり、方法・期間・比較対象は研究ごとに異なります。「肩甲骨はがし」という一般的な呼び方の施術だけで、すべての頭痛を改善できることを示すものではありません。
頭痛があるときに、強い圧をかける、首を強く反らす・ひねる、痛みを我慢して動かすことは勧められません。特に新しい頭痛や首の強い痛みがあるときは、先に医療機関で評価を受ける必要があります。
| 状態 | 肩甲骨ケアとの関係 | 優先したいこと |
|---|---|---|
| 以前から同じような頭痛を繰り返し、肩・首の張りがある | 張りを感じることはありますが、頭痛の診断はできません。 | まず医師の診断・指示を確認し、無理のない生活調整を検討します。 |
| 初めての頭痛、いつもと明らかに違う頭痛 | 肩甲骨の動きで様子をみる場面ではありません。 | 医療機関へ相談します。 |
| 突然の強い頭痛や神経症状 | セルフケア・施術の適否を判断しません。 | 緊急性を考え、119番を含む対応を優先します。 |

頭痛で受診を急ぐ目安
突然で強い頭痛や、神経の症状を伴う頭痛では、整体やセルフケアを優先しません。
日本頭痛学会は、これまで経験したことのないひどい頭痛、突然起こって短時間でピークに達する頭痛、発熱、手足の麻痺・しびれを伴う頭痛では、脳神経外科または脳神経内科を至急受診する必要があると案内しています。数週間で悪化する頭痛にも注意が必要です。
119番など緊急対応を考えるサイン
- 突然の激しい頭痛、急な頭・首の強い痛み
- ろれつが回りにくい、片側の顔や手足が動かしにくい・しびれる
- 急な息苦しさ、意識がぼんやりする、けいれん
- 頭痛に発熱、首の強いこわばり、繰り返す嘔吐を伴う
厚生労働省の案内では、突然の頭痛、ろれつの回りにくさ、突然の手足のしびれ・脱力は119番を利用する症状として挙げられています。迷う場合は、実施地域では♯7119で救急相談ができます。
頭痛の前後に首の強い痛みがあり、めまい・ふらつき、物が飲み込みにくい、声がかすれるなどを伴う場合も、首を動かすケアをせず、速やかに医療機関へ相談してください。
セルフケアを試す前の確認
緊急のサインがなく、医師から運動制限を受けていない場合でも、強さではなく症状の変化を基準にします。
次は頭痛を治す方法ではなく、デスクワークなど同じ姿勢が続いたときに、首肩へ加わる負担をいったん区切るための生活上の例です。頭痛が強い日、新しい頭痛がある日、首の痛みやしびれがある日は行いません。
- 作業を止め、画面から目を離して呼吸を整えます。
- 肩をすくめず、肘を軽く曲げたまま、肩甲骨を背中の中央へわずかに近づけて戻します。首を後ろに押し込んだり、胸を強く反らしたりしません。
- 少しでも頭痛・首の痛み・しびれが増す場合はそこで終えます。
厚生労働省の情報機器作業のガイドラインは、連続作業時間に区切りを設け、ディスプレイ、椅子、足元などを調整する考え方を示しています。症状を我慢して一度に大きく動かすより、同じ姿勢を続けない工夫を見直すことも選択肢です。

grefulで相談できること
頭痛の診断や緊急性の判断は医療機関が担い、grefulでは医療機関での評価を妨げない範囲で身体の負担や日常動作を相談できます。
grefulでは、頭痛そのものを治療・診断することを目的にせず、肩・首・背中の動き、作業姿勢、肩甲骨まわりの負担を確認し、身体のケアやセルフケアの相談を行います。新しい頭痛、突然の強い頭痛、神経症状がある場合は、まず脳神経外科・脳神経内科など医療機関での評価を優先してください。
よくある質問
肩甲骨を動かすと頭痛が軽くなることがあります。続けてもよいですか?
一時的な変化だけで、頭痛の種類や安全性は判断できません。初めての頭痛、頻度や強さが変わった頭痛、受診目安に当てはまる症状がある場合は続けず、医療機関へ相談してください。
片頭痛でも肩甲骨はがしを受けられますか?
片頭痛の診断や治療方針は医師に確認してください。肩や首の張りがあっても、それが頭痛の原因とは限りません。発作時の対応や運動の可否は、主治医の指示を優先します。
頭痛がある日は首を反らすストレッチをしてよいですか?
自己判断で首を強く反らすことは勧められません。頭痛や首の痛みが増す、腕のしびれが出る場合は中止し、医療機関へ相談してください。
肩こりがある頭痛は、整体だけでみてもらえますか?
頭痛には医療機関で評価が必要なものがあるため、症状によってはまず受診を案内します。緊急性が否定された後に、姿勢や日常の負担を含めた身体のケアを相談できます。
市販薬でおさまるなら受診しなくてよいですか?
薬で一時的におさまることだけでは判断できません。頭痛の頻度・強さ・パターンが変わる、薬の使用が増える、神経症状や発熱を伴う場合は医療機関へ相談してください。
まとめ
肩甲骨はがしで頭痛が治るとは言えません。肩・首の張りと頭痛が一緒にあることはありますが、頭痛の種類や緊急性は、肩甲骨の硬さだけでは判断できません。いつもと違う頭痛や突然の強い頭痛、麻痺・しびれ・発熱などがあれば、セルフケアをせず医療機関へ。緊急のサインがなくても、頭痛が続く場合は先に診断を受け、そのうえで日常の負担を見直しましょう。
参考資料
- 公益社団法人日本頭痛学会.頭痛とは.閲覧日:2026年10月28日。
- 公益社団法人日本頭痛学会.2次性頭痛(危険な頭痛、他の病気に伴う頭痛).閲覧日:2026年10月28日。
- 公益社団法人日本整形外科学会.肩こり.閲覧日:2026年10月28日。
- Hernández-Latorre M, et al. Effectiveness of physiotherapy interventions on headache intensity, frequency, duration and quality of life of patients with tension-type headache. J Clin Med. 2022. PubMed抄録を確認。緊張型頭痛への理学療法を扱う系統的レビューであり、肩甲骨はがし一般の効果を示す資料ではありません。
- 厚生労働省.情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン(令和3年12月1日改正).閲覧日:2026年10月28日。
- 厚生労働省.こんな時は迷わず119へ.閲覧日:2026年10月28日。
記事内容の確認
山本 政幸
柔道整復師・鍼灸師
株式会社G-STYLE代表
グレフル鍼灸接骨院 整体院 心斎橋 院長
内容確認日:
※確認者の資格・役割は医学的な診断や医師による監修を意味しません。医学的な根拠は本文の参考資料をご確認ください。


