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「寝ても疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝スッキリ起きられない」──こうした睡眠の悩みは、多くの方が抱えている現代ならではの問題です。実はその原因、自律神経の乱れが深く関わっていることをご存じでしょうか?睡眠は単に体を休める時間ではなく、脳や神経を整え、心身をリセットするための大切な時間です。そして、この睡眠の質を左右する大きな鍵が「自律神経」なのです。
自律神経は、私たちが意識しなくても体を正常に働かせるために働いている神経です。呼吸・心拍・血圧・消化・体温調節・ホルモン分泌など、命を維持するために欠かせない機能をコントロールしています。
自律神経には、以下の2つの神経が存在します。
・交感神経:昼間や活動しているときに働く「アクセル」の役割
・副交感神経:夜間や休息時に働く「ブレーキ」の役割
健康な状態では、昼間は交感神経が優位になり活動モードへ、夜は副交感神経が優位になりリラックスモードへと、自然に切り替わります。
しかし、ストレス・不規則な生活習慣・スマートフォンのブルーライトなどが原因でこの切り替えがうまくいかなくなると、夜でも交感神経が優位なままになり、深い眠りにつけなくなるのです。
自律神経が乱れると、次のような睡眠の悩みが起こりやすくなります。
・寝つきが悪い
副交感神経がうまく働かず、心身がリラックスできていない状態。
・途中で何度も目が覚める
睡眠中に交感神経が活発化し、深い眠りが維持できていない。
・朝起きても疲れが取れていない
脳や体が十分に回復できず、休息が足りていない。
・夢をよく見る・眠りが浅い
ストレスにより神経が緊張状態にあり、レム睡眠が増加している。
こうした状態が続くと、昼間の集中力低下・気分の落ち込み・免疫力低下・体調不良など、心身への悪影響がどんどん広がっていきます。
自律神経を整え、深い眠りに導くために今日からできる習慣をご紹介します。
眠る1~2時間前からは部屋の照明を少し暗めにして、スマートフォンやパソコンの使用を控えましょう。
ブルーライトは脳を覚醒させ、交感神経を刺激して眠りを妨げます。
また、38〜40℃程度のぬるめのお湯に10〜15分浸かる入浴は、副交感神経を優位にして眠りやすい体を作ります。
自律神経は呼吸のリズムと深く関係しています。特におすすめなのが「4-7-8呼吸法」です。
鼻から4秒かけて息を吸い、お腹を膨らませる
7秒間息を止める
口から8秒かけてゆっくり息を吐き切る
寝る前に数回繰り返すことで、心身が落ち着き、入眠がスムーズになります。
眠るための環境作りも大切です。
室温は20℃前後、湿度は**50〜60%**を目安に
枕は首の自然なカーブを保てる高さを選ぶ
遮光カーテンで外の光を遮り、静かな環境を整える
これらを意識するだけで睡眠の深さが大きく変わります。
朝起きたらカーテンを開けて太陽光を浴びましょう。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、夜には自然と眠くなるリズムが整います。これは、不眠の改善に非常に効果的です。
ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は、副交感神経を活性化し、夜の睡眠を深めてくれます。特に下半身を動かす運動は血流を促進し、心身をリラックスさせる効果が高いとされています。
質の良い睡眠は、次のような健康効果をもたらします。
・ホルモンバランスが整い、疲労回復力がアップ
・免疫力が高まり、風邪や体調不良に強くなる
・成長ホルモンの分泌が活発になり、肌や筋肉の修復、代謝アップにつながる
・朝の目覚めがスッキリし、メンタルの安定や体型維持にも効果的
睡眠は、ただの休息ではなく、心身を健康に導くための大切な「治癒時間」です。もし慢性的な眠りの悩みを抱えている方は、生活習慣を整えるだけでなく、専門家に相談することも一つの方法です。
睡眠は「時間の長さ」だけでなく「質」が重要です。自律神経を整え、体と心がしっかり休まる眠りを手に入れることで、日々のパフォーマンスが大きく変わります。当院でも、睡眠の質を高めるための生活アドバイスや、姿勢や筋肉の緊張を整える施術を行っています。「眠りに悩んでいる」「最近疲れが取れにくい」と感じている方は、お気軽にご相談ください。